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オランダ・ベルギー旅行記

 2004年の夏休みが終わるころ、人出が少なくなるのをみはからって、わたしたち夫婦はオランダからベルギーをめぐる旅に出発した。

 オランダと言えば、風車とチューリップくらいしか思い浮かばないというほど、わたしはきわめて乏しい知識しか持ち合わせていなかった。もちろん、首都アムステルダムにはアンネの家があって、ヒットラーによるユダヤ人迫害からのがれて記した『アンネの日記』は小学生の時に読んだし、干拓によって築かれた国土のいたる所に運河が張り巡らされていることも、同じころテレビで見ていた『ザ・ガードマン』で知っていた。

 しかしかの国では、ゴッホはもとより、レンブラント、ルーベンスといったすぐれた画家が輩出していることを知る由もなかった。お隣のベルギーで活躍していたヤン・ファンエイク、ブリューゲルなどは、その名前すら知らなかった。
 はじめて訪れてみて、これらの画家の作品は、美術館や教会で実際に見て、驚くほどすばらしいものであり、絵を見て感動するということをはじめて体験もした。

 なぜそれほどまでに感動したのか、それは、オランダ、ベルギーともに、優秀なガイドのみなさんと出会うという幸運に恵まれたからだ。ガイドによって、こうも海外旅行の楽しみが変わるのかという点も、今回の旅ではじめて経験したことだった。

 出会ったガイドのみなさんの話は、本文のなかで詳しくご紹介することにして、まずはオランダから始まる短くとも充実した旅行を、ぜひごゆっくりとお楽しみいただきたい。

8月28日(土)アムス到着へ→

オランダ・ベルギー旅行記

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