ツアー最終日、ウィーンを出発
今日はオーストリア旅行最後の日となる。13時30分ウィーン発の飛行機に乗ることになっているので、ホテルを10時に出発しなければならない。
世界を代表する作曲家が集まるウィーン市立公園
朝食をそそくさと済ませ、寸暇を惜しんで8時前にホテルを出て、市立公園に徒歩でむかった。
ここには、ベートーヴェンをはじめ、ヨハン・シュトラウス、シューベルト、ブルックナーなどの銅像が公園のあちこちに建てられている。ベートーヴェン以外はすべてオーストリア生まれの作曲家で、ドイツ生まれのベートーヴェンも後にウィーンに移住し、いまは、ウィーンの墓地に眠っている。
およそクラシックとは縁のない私でも、これらの音楽家の名前は知っている。しかし、みんなウィーンで生まれ育ったことはまったく知らなかった。ここに、ウィーンが「音楽の都」と呼ばれるゆえんがあるのだろう。
修復中のカールス教会でフレスコ画を目の前で鑑賞
さらに時間があったので、ガイドブックを片手にホテルにもっとも近いカールス教会を探して歩いた。
ようやく教会の入り口を見つけて中に入ると、壁画の修復中で真ん中に大きな足場が組まれていた。ところが、これが幸いして、修復期間中は足場の上まで工事用のエレベーターを使って上がることができ、おかげで普段なら下からしか眺めることができない天井のフラスコ画を目の前で鑑賞することができた。
見事なフラスコ画の数々を、こんな近くで見られたことは驚きだった。やはり、苦労を惜しまず好奇心を持って街を歩けば、何かいいことに出会えるものだ。最終日の幸運に感謝した。
10時ぎりぎりにホテルに戻り、すぐにバスに乗ってウィーン空港にむかった。今日も朝から空はどんよりと曇っていて、途中、小雨が降り出し、空港でフライトを待っている間、雨が本降りになった。本当に今回の旅行は何度も雨をすり抜け、結局、一度も折りたたみ傘を使うことはなかった。その点でも幸運に恵まれた。
今回の旅行では、チロル地方からザルツカンマーグートの自然に親しむ旅から、ウィーンの絵画と音楽に浸る旅を楽しむことができた。とくに、首都ウィーンは、音楽の都にとどまらず、絵画でも教会でも、そして、人々もまさに街全体が芸術性にあふれていた。
自然と芸術にふれる旅に充電されて、慌ただしい日々が待ち受ける日本に帰ってきた。